コラム

“文化観光”で持続可能な未来を作る 地域の文化財を活用する”文化観光”を解説!!

作成日:2021/10/20
更新日:2021/11/22
“文化観光”で持続可能な未来を作る 地域の文化財を活用する”文化観光”を解説!!

近年急速にトレンドとなっている文化観光。文化観光とは、文化財を観光資源として活用し、得られた収益を保存や修繕に回すことで、文化を後世に伝えていく手段を指します。
持続可能な取り組みとして注目されている文化観光、いったいどんな背景からトレンドなっているのでしょうか?そもそも文化財を保存していく本当の意義とは何なのでしょう?
文化観光について、文化の意味と文化保存の意義、行政・消費者双方から見たメリットを解説していきます。

今後のトレンド“文化観光”とは何か? 

文化観光で注目されているのは多くの場合、有形の施設や工芸品など。それらは目に見えて文化を感じられますが、まだまだ“文化”という氷山の一角。文化には有形のものだけでなく、その地域に伝わる独特な風習や慣わし、お祭りといった無形のものも存在します。
有形・無形、この二つが合わさったものこそが“文化”であり、それら体験することで、はじめて“文化観光”ができた、といえるようになるのです。
文化観光2
広辞苑によると文化とは、『人間が自然に手を加えて形成してきた物心両面の成果。衣食住をはじめ科学・技術・学問・芸術・道徳・宗教・政治など生活形成の様式と内容とを含む。』とのこと。(※1)人間が自然に手を加えて形成してきた生活形式の内容をさし、土地に伝わる風習やお祭り、伝統工芸品のことなどを指します。
地域の歴史・伝統が結晶となった文化は、それらを現代に伝える資料の役割だけでなく、人々を繋ぐコミュニティの形成という重要な役割も果たしていますまた成り立ち故に、その土地だけの魅力が凝縮されており、観光資源としての可能性や、移住・関係人口創出といった土地を盛り上げる機能も潜在的に秘めているのです。

行政に多大なメリット 観光利用でエシステムを生み出す“文化観光”

なぜ今“文化観光”がトレンドとなっているのか?そこには行政、市民、それぞれが現在置かれている状況が大きな要因となっています。
行政側の抱えている文化財についての最も大きな課題は、保存が困難なこと。より正確にいえば、保存費が高額すぎるという現状があります。(※2)
文化財の保存は多くの場合、自治体が担っており、保存には多額の費用を要します。しかしいくらその年に保存処置をしたところで、次の年にはまた別の箇所に修繕が必要だったり、運営支援だったりの費用が発生していきます。結果として年々負担額がかさんでしまい、近年では、文化財の継承において赤字を計上してしまっている自治体も存在してしまっています。(※3)
そこで提唱されたのが“文化観光”(※4)
文化観光3
これまで保存しかしてこなかった文化財を観光活用し、文化財が自立していけるような状況を目指すものです。文化観光の文脈は2019年に施行された改正文化財保護法から読み取れます。赤字の原因だった文化財の自立を目指す、行政にとってはまさに逆転の一手。こうして行政側の、近年における文化観光のトレンドが出来上がっていったのです。

リベンジ消費、コト消費、高齢化社会…… 消費者の間でおこる“文化観光”高まりの背景

文化観光のトレンド形成するもう一方、市民側の事情は一体どのようなものなのでしょう?
国内旅行という観点からみると、定年後にやりたいことランキングで近年上位を記録しており、全年齢を対象とした場合でもコロナ後のリベンジ消費をしたいランキングでも第1位(※5)と、非常に注目度が高まっています。
文化観光4
国内旅行のなかでも、これからも盛り上がっていくといわれているのが“文化観光”です。背景にあるは、消費傾向の世界的なシフト
以前までの消費傾向は商品やサービスの機能自体に価値を感じ消費を行う“モノ消費”でした。しかしインターネットや新しいテクノロジーの発達により、どの製品を買ってもニーズ満たされるようになった現在、消費者は、消費によってどんな体験が得られるのか?どんな未来がつくられていくのか?に価値の重点を置くようになっていきました。こうした消費傾向を“コト消費”と呼びます。(※6)
文化観光5
また超高齢化社会の日本では、平均寿命の高さから定年後もアクティブに活動するシニアが多く、自己の興味や見聞を深める活動が活発となっています。彼らが価値を感じるのは、ありきたりな観光地ではなく、自己の探求分野において意義を持った文化や施設です。
文化観光1
リベンジ消費、世界的なコト消費への移行、超高齢化社会における活動期間の伸長、これらの複合的な観点から“文化観光”は今後、盛り上がりをみせていくと予想できるのです。
文化観光の流れはリベンジ消費の関係から、急速に発達していくと考えらます。もしお困りの自治体さまがいらっしゃいましたら、オマツリジャパンまでご相談ください。

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(※1)
新村 出 編(2018)【広辞苑 第七版 た〜ん】岩波出版

(※2)保存から保存&活用へと舵を切る文化財
背景にある日本の課題と、法改正によって引き出される地域の魅力とは — 國學院大學メディア

​​https://www.kokugakuin.ac.jp/article/253193
(※3)SL展示、悲しき終点 老朽化、維持の道なく解体  —朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/DA3S12615771.html
(※4)文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律(文化観光推進法)
https://www.city.hikone.lg.jp/material/files/group/38/siryo2.pdf
(※5)『リベンジ消費に関するアンケート調査』ワクチン接種後に最もやりたいこと 1位「国内旅行」 2位「みんなで集まって会食」 3位「海外旅行」—PR TIMES (調査元 CCC マーケティングカンパニー)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000658.000000983.html
(※6)「モノ」から「コト」の時代にITサービスマネジメントが求められる理由 —日経ビジネス 
https://special.nikkeibp.co.jp/atcl/NBO/18/servicenowjapan1213/

タカハシコウキ

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地域のお祭りやインタビュー、由来を調べるのが好き。いろんなお祭りを知りたいと思っています。

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